投資界の神様でもあるウォーレン・バフェット氏とランチする権利を約5億円でトロン(TRX)のジャスティン・サンCEOが獲得したことが世界中で話題になっています。
ウォーレン・バフェット氏は仮想通貨・ビットコインに対して、懐疑的な人物としても有名ですね。
ここでは、ウォーレン・バフェット氏が過去にビットコインに対してどのような発言をして、仮想通貨にどのような思いやポジションを取っているのかを解説していきます。
また、ジャスティン・サン氏との会食でウォーレン・バフェット氏の考えが変わるのかも考察していきたいと思います。
トロンのジャスティンが5億円でバフェットとのランチする権利を獲得
I officially announce I’ve won the record-setting 20th-anniversary charity lunch hosted by @WarrenBuffett. I’ll also invite #blockchain industry leaders to meet with a titan of investment. I hope this benefits everyone. #TRON #TRX #BTT #BitTorrent pic.twitter.com/EMZ4TMhgpR
— Justin Sun (@justinsuntron) 2019年6月3日
このウォーレン・バフェット氏とランチする権利は、トロンの創業者でもあるジャスティン・サン氏がチャリティーオークションで456万7888ドル(約5億円)で落札したもの。
落札額は全額、社会的弱者のための支援団体でもあるGLIDE財団に寄付されます。
GLIDE財団は、ウォーレン・バフェット氏以外にもクリントン元大統領などが多額の寄付をしている他、ウィル・スミス主演の映画「幸せのちから」でも舞台の1つとして使われていたので有名。
またランチには、7名まで同席できるとしていますがジャスティン・サン氏は、仮想通貨界でも有名な著名人に声をかける予定のようですよ。
- イーサリアム創設者:ヴィタリック・ブテリン氏
- ライトコイン開発者:チャーリー・リー氏
- バイナンスCEO:ジャオ・チャンポン(CZ)氏
等々に声をかける予定としています。
さらに、個人的にはビットメインのジハン・ウー氏、ビットコインキャッシュのロジャー・バー氏、日本からはSBIの北尾社長なんかが、参戦したらガチの仮想通貨界のオールスターになりそうで面白そうだと勝手に思っています。
- ビットメイン:ジハン・ウー氏
- ビットコインキャッシュ:ロジャー・バー氏
- SBI:北尾吉孝CEO
あとは、自称ナカモトサトシを名乗っているビットコインSV(BSV)のクレイグ・ライト氏が参加しても面白いこと(カオス)になりそう。。とTwitterでもリプを頂いて笑いました。
良い方向になると・・・
金融や投資の世界ではウォーレン・バフェット氏の発言や考え方、ポジションの取り方は非常に重要です。
現在バフェット氏は、仮想通貨やビットコインに対して(後述でまとめているように)非常に懐疑的です。
ですが、もしなんらかの心境の変化があり仮想通貨に興味を持ったりポジティブな発言をしだしたら、暗号資産市場に見向きもしなかった何千億円という資金を動かす超大口の機関投資家やヘッジファンドが動き出すきっかけになるかもしれませんね。
個人的な考察
ただ…正直、バフェット氏がサン氏とのランチで考え方が変わる可能性は限りなくゼロに近いと思います。
普通に考えれば、数十年も投資界のトップを走り続けてきているレジェンドが、ここ数年でポッっと出てきた若者の話を簡単に受け入れてくれるとは思えません。
しかし、バフェット氏は当初のGoogleやAmazonといったテック企業に投資しなかったことを誤った決断だったとしていることからも、可能性が全くのゼロでもないとも言えますね!
また5億円も出してランチの権利を獲得してくれた若者の話を無下にするようなことも心情的にもしないでしょう。。(多分…)
それってドラマがあるとは思いませんか?ワクワクしないですか?
可能性が限りなくゼロに近いところから、這い上がっていくサクセスストリーに思えます。
ウォーレン・バフェットとはどういった人物?
経済界や投資の世界でウォーレン・バフェット氏の名前を聞いたことがないという人は少ないとは思いますが、改めてウォーレン・バフェット氏の簡単なプロフィールをみていきましょう。
ウォーレン・バフェット氏は「投資の神様」と呼ばれ、世界最大の投資企業でもあるバークシャー・ハサウェイの会長兼CEO。
フォーブスの世界長者番付では、マイクロソフトのビルゲイツ氏に次ぎ2位の大富豪。個人資産は840億ドル(約9兆円)とされています。
バークシャー・ハサウェイの売上高は約2400億ドルあるとされていますが、自身の給与は10万ドル(110万円)に設定し、派手な生活は送らず、オマハにある31,500ドルで購入した住宅に住んでいることから「オマハの賢人」とも呼ばれています。
また慈善活動や寄付活動を積極的に行い、自身の資産のほとんどを寄付するとも発表しています。※アメリカ史上で最大の寄付額
さらにバフェット氏とビルゲイツ氏で立ち上げた寄付推奨活動の「ギビング・プレッジ」には、米取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOや100倍レバレッジで有名なBitMEXの共同創業者ベン・デロ氏も参加することを発表しています。
- 投資の神様やオマハの賢人と呼ばれている
- 自己資産は約9兆円
- 世界の長者番付で2位
- バークシャー・ハサウェイの会長兼CEO
- 大富豪でありながら質素な生活を好む
- 慈善活動や寄付活動に積極的
投資スタイル
バフェット氏の投資スタイルとしては、下記の4つが条件としています。
- 事業の内容を理解できる
- 長期的に業績が良いことが予想できる
- 経営者に能力がある
- 魅力的な価格である
本質価値や内在価値を重視する堅実なスタイルが特徴で、複雑すぎる分野には投資しないことでも知られています。
また当初のGoogleやAmazonの2社に投資しなかったことを「誤った決断だった」と述べていたことも有名ですね。
ちなみにバフェット氏はビットコインや仮想通貨と同じように、自身の投資スタイルに当てはまらない金(ゴールド)に対しても否定的です。
ウォーレン・バフェットのビットコイン、仮想通貨に対する過去の発言
ウォーレン・バフェット氏のビットコインに対する発言は、2014年の「ビットコインは蜃気楼」からはじまりました。
2018年1月:いつか悪い結末を迎える
そこから、2018年1月の米CNBCの経済番組の中ではビットコインに対して、、
「いつか悪い結末を迎える」
「全ての仮想通貨に連動した5年後のプットオプションなら喜んで買う」
「ビットコイン先物のショートポジションを取ることは決してない」
と発言しています。
プットオプションとは
ある商品を将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格(=権利行使価格)で売る権利のこと
2018年1月といえば、ビットコイン価格がピークでバブル(200万円)の時
2018年4月:ギャンブルやゲーム
18年4月のYahoo Financeのインタビューでは、ビットコインは「ギャンブルやゲーム」と表現しています。
「農場や土地や事業への投資は利益をもたらす投資。ビットコインや仮想通貨は何も生み出さず、次の人がより高い金額で払ってくれることを願っているだけ。」
要は、ゼロサムゲームということですね。言ってしまえば外国為替取引なんかもゼロサムゲームですが…
確かに痛いところを突かれている気が…でも今は実需も少しずつだけど付いてきているのも事実
2018年5月:殺鼠剤を二乗したもの
この時のバフェット氏の「ビットコインは殺鼠剤を二乗したもの」という批判が最も大きく取り挙げられた一件です。
バークシャー・ハサウェイの株主総会でバフェット氏は次のように発言しています。
『投資家のビットコイン需要は価格要因だけであり、仮想通貨は「イカサマ」のための便利な道具』
ここでもビットコインを痛烈に批判していますね。
バークシャー・ハサウェイの株主総会は、バフェット氏や副会長のチャーリー・マンガー氏の話を聞くために世界中から4万人の株主が集まる大きなイベントです。
副会長のマンガーさんはビットコインを「糞の取引」とさらに厳しい批判をしていたね
2019年2月:妄想
19年2月には米CNBCに出演し、ビットコインに対する考えや意識が変わっていないということを述べていました。
仮想通貨のアイディアは独創的としながらも「ビットコインは妄想であり、ぺてん師を引きつける」と発言。
さらに「ビットコインには本質的な価値や生産性がなく、一日中眺めていても何も生み出さない」とも発言しています。
その一方では、ブロックチェーンは仮想通貨と独立したもので重要という考えも述べていました。
ここでは、ブロックチェーン技術に対しては考えが少し変わったようにも思える
2019年5月:ギャンブルの道具
19年5月にはバークシャー・ハサウェイの年次株主総会にて、ビットコインや仮想通貨に対する発言をしています。
ここでは、「ビットコインはギャンブルの道具であり多くの詐欺師が関与している」「そこにあるだけの貝殻と一緒で投資ではない」と厳しい発言を述べています。
また自分のジャケットのボタンに例えて、
「このボタンはトークンです…あなたに1000ドルで提供します、そして一日が終わるまでに2000ドルまでの価格を得ることができるか見てみましょう…ただボタンの用途は限られています」
とボタンと比較してビットコインには投資としての価値がないと持論を展開していました。
しかし、ビットコインは必要ないとしながらもブロックチェーンは重要と高く評価しています。
ボタンの例えは正直よく分らない笑
まとめ
投資の神様でもあるウォーレン・バフェット氏の過去のビットコインに対しての発言をまとめていると、トロンのジャスティン・サン氏とのランチが不安に思えてきました。。
サン氏もビットコインについて語るには「3時間のランチは短すぎる」と答えていますが、「意見を伝えることはできる」としていることから意気込みを感じることはできます。
またバフェット氏は、仮想通貨の開発者だからといって嫌悪するのではなく、サン氏のランチを楽しみにしているとも語っています。
仮想通貨ファンやビットコイン投資家からすると、なんとかサン氏にバフェット氏の考え方を変えてほしいと思っているとは思いますが、サン氏も一投資家としてバフェット氏を尊敬しているので、単純に会食を楽しんできてほしいですね。
バフェット氏から様々なことを吸収して、今後の仮想通貨業界に役立ててほしいと思います!