ジム・ロジャーズ 大予測: 激変する世界の見方
世界三大投資家の一人ジム・ロジャーズが「仮想通貨は全てがゼロになる」と述べていたのが話題になっていました。
ジム・ロジャーズがいったいどういった考えの持ち主なのかを知りたくて、「ジム・ロジャーズ 大予測」という本を読みましたが、思いのほか面白かったのでレビューしたいと思います。
どういった本なのかというと、「①コロナショックでどうなるのか」「②世界経済の今後の見通し」「③日本の今後」「④投資戦略」の4つの章で構成されています。
ページ数は140ページで、字も詰まり過ぎてないので、本当にすぐに読むことができます!(1時間~2時間ほどで読めると思います。)
ただ、ジム・ロジャーズが好きでロジャーズ氏の様々な本を読んできた人には物足りなさを感じるかもしれません。
第3章の「私が日本人なら海外脱出するかAK-47を使えるようにする」という衝撃的な部分も以前から述べられていたことのようです。
ただし、インタビューは1月下旬と3月中旬に行われているので、コロナショック後の世界の見通しは非常い興味深いものになっていました。
本を読むのが得意じゃない方も、サクッと読めるので非常におすすめですよ。
情報操作されたテレビのニュースばかりを見ていた私も、少しだけですが目が覚めたような気がします。
投資もそうですが、誰かの情報や一部のソースだけではなく、多角的に分析し歴史と照らし合わせる必要性を改めて感じさせられました。
この本がおすすめできる人・できない人
- ジム・ロジャーズについてあまり知らない人
- コロナショック後の(世界的投資家が考える)世界情勢を知りたい人
- 日本終了の意味を知りたい人
- 今の日本の経済や政治になにかしらの違和感を感じている人
- 投資入門者
- 時間をかけずに本を読破したい人
- ジム・ロジャーズをよく知っている人
- ジム・ロジャーズの本を読んでいた人
- 世界経済に詳しい人
- しっかりと本を読み込みたい人
話の流れ
- 第1章コロナショックは戦後最大の危機の始まりか
- 次の金融危機が私の人生で最も大きなものになる
- 「恐怖」に支配された相場、経済に打つ手なし ほか
- 第2章これから世界で何が起こるのか ~世界の主要国が後退し、中国覇権が加速する
- 今回のコロナ危機で欧米経済の凋落が決定的になる ほか
- 第3章20年後、「日本終了」が現実味を帯びてきた
- 私が日本人なら海外脱出するか、AK‐47(自動小銃)を使えるようにする
- 外国人にとって日本ほど不自由な国はない ほか
- 第4章世界常識で考える、これからの人生設計&投資戦略
- 日本人以上に海外では子供の教育に力を入れている
- 外国語を話せることはグローバル社会で大きな武器になる ほか
第1章 コロナショックは戦後最大の危機の始まりか
第1章ではロジャーズ氏は各国の膨れ上がる負債を指摘し、「次の金融崩壊が私の人生で最も大きなものになる」と予想しています。
中央銀行やFRBが金融対策やお金を擦りまくって株価を人為的に維持しているだけと指摘。
ある日突然、相場参加者の意識が変わり誰も止められない最悪の状況になるとみているようです。
またそういった世界大恐慌は確実に来るとしています。
興味深いのが、その前にFRBや中銀の対策で一時的な大きなラリー(上昇相場)がくるかもしれないと、この頃から(インタビューは3月中旬)、既に3月大暴落からのV字回復を予想していたこと。
事実、見事に予想は的中し、株価の大きなラリーが起きました。
となると、この後の予想も現実味を帯びてくるので、「今後経験したことのないような世界大恐慌が起きるのか」…と思うとぞっとなりますね。
第2章 これから世界で何が起こるのか
この章ではロジャーズ氏が以前から述べている内容のようです。
しかし、私のようなマスメディアに支配された人間からすると「目から鱗」状態でした!
テレビでは語られない中国や北朝鮮の本当の現状を把握することができました。
また普段からみんなが言っていることが、常識で事実だと思い込んでいた、乏しい思考能力が恥ずかしくもなりました。
世界三大投資家の一人とも称されるジム・ロジャーズが「北朝鮮に投資したい」と言わしめる理由をご存知でしょうか?
えっ?北朝鮮に投資?と思われた方はぜひ一読してみてはいかがでしょうか。
また仮想通貨界隈では自国通貨ペドロでもお馴染みのベネズエラにも言及し、「ベネズエラにも投資してみたい」とロジャーズ氏が言っていたのも印象的でした。
第3章 20年後、「日本終了」が現実味を帯びてきた
「日本の将来って大丈夫なのかなぁ」と心配している方は非常に多いのではないでしょうか。
少なくとも投資に興味のある方で「日本は一生安泰」と思われている方はいないと思っています。
国の借金が1000兆円もあるというのは有名な話ですが、日本のなにがヤバいのか具体的にそして的確に答えられる人も少ないはず。
そんな日本の将来の疑問に見事に答えてくれるのが、この章でした。
率直な感想としては、「日本の将来は終わっている…」と確信してしまいました。まぁこれは誰もが薄々は感じていると思いますが。。
ただし、『日本人が作る品質の高さはもの凄いものがある』という日本人の誇らしさも感じさせる文脈が非常に好き。
そして日本の未来を作るのは私たちや子供たちです。
子供たちには、日本を変えろとまでは言わなくても、学校では教えてくれないお金の話を少しでも多くしてあげようと思いました。
変化を怖からずチャレンジしていく精神を学んでほしいと思います。
第4章 世界常識で考える、これからの人生設計&投資戦略
この章では投資の基本や心構えを改めて復習できる内容になっています。
特に、印象に残ったのが基本的な「安く買って、高く売ること」「辛抱強く投資の機会を待つこと」「売った後はしばらくなにもしないこと」
当たり前と感じることも、世界有数の投資家が言うと説得力があります。
ちなみに、今回の本では暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンの話は出てきてませんでしたが、ビットコイン投資でも全く同じことが言えますね。
まとめ
今後の激動な世の中には、世界に目を向けてグローバルな考え方が必然ともいえると感じました。
知ること、そして勉強するという楽しさを改めて感じさせられた一冊でした。
ジム・ロジャーズ氏の考え方があまりにも為になったので、読み終わったと同時に、同じ時期に出版された「危機の時代」を速攻でポチりました。
「危機の時代」では、ブロックチェーンのことや暗号資産(仮想通貨)のことも触れられていますよ。
こちらは読みごたえがありそうなので、また改めてレビューできればと思います。