チェーンリンクは、スマートコントラクトが外部の現実世界データを安全に取り込むための分散型オラクルネットワークとして、DeFi（分散型金融）やNFT、保険、サプライチェーン管理など多岐にわたる分野で利用される、注目のプロジェクトです。
本記事では、チェーンリンクの基本概要から技術的な特徴、実際の利用事例、価格動向、将来性、そして投資家へのアドバイスまで、初心者にも分かりやすく詳しく解説します。
チェーンリンク(LINK)とは？
| 名称 | Chainlink |
| 通貨単位 | LINK |
| リリース日 | 2017年9月19日 |
| 発行上限 | 1,000,000,000 LINK（10億枚） |
| 承認方法 | PoS（Proof of Stake） |
| 管理 | SmartContract Chainlink Limited SEZC |
| 公式サイト | https://chain.link/ |
| LINK取扱い取引所 | Coincheck GMOコイン BITPOINT |
チェーンリンク(LINK)の概要
Chainlink（チェーンリンク：LINK）は、スマートコントラクトがブロックチェーン上で自律的に動作する一方、直接外部データ（例：金融市場の価格、天気情報、スポーツの結果など）へアクセスできないという課題を解決するために誕生しました。
従来のオラクルは、中央集権的なシステムに依存していたため、データ改ざんのリスクや単一障害点（SPOF：Single Point of Failure）が問題となっていました。
チェーンリンクは、複数の独立したノードが分散してデータを提供する仕組みを採用することで、信頼性の高い外部データの供給を可能にし、スマートコントラクトが正確な情報に基づいて実行される環境を整えています。
簡単に言うと、チェーンリンクは信用できる外部のデータにアクセスしてくれるプロジェクトってことだね！通常のブロックチェーンではできなかったことだから結構すごいことなんだよ
チェーンリンクは、ブロックチェーン技術を活用したさまざまな分野でのアプリケーションに対して、現実世界の情報をリアルタイムで連携できる点が大きな魅力です。
これにより、DeFiサービスの価格フィード、保険金の自動支払い、サプライチェーンの追跡など、幅広いユースケースで実用化が進んでいます。
また国内ではコインチェックやGMOコインなど、多くの仮想通貨取引所でチェーンリンク（LINK）を取り扱っています。
チェーンリンク(LINK)の技術と特徴
① 分散型オラクルネットワーク
オラクルとは、スマートコントラクトに対して外部データ（例：市場価格、天気情報、スポーツ結果など）を提供する仕組みのこと。
チェーンリンクの中核となる技術は、分散型オラクルネットワークです。
従来の中央集権型オラクルでは、単一の情報源に依存するため、データ改ざんや障害が発生すると全体に悪影響を及ぼすリスクがありました。
チェーンリンクは、多数の独立ノードが個別にデータを取得し、その結果を集約・検証することで、より正確で信頼性の高い情報を提供します。
この仕組みにより、スマートコントラクトが外部データを利用する際の安全性が大幅に向上しています。
② LINKトークンの役割とインセンティブ
チェーンリンクのネイティブトークンであるLINK（リンク）は、ネットワーク内で以下のような重要な役割を果たします。
③ 高いセキュリティと耐障害性
チェーンリンクは、分散型ネットワーク構造により、一部のノードに障害が発生しても全体としてのシステムが維持される堅牢な設計となっています。
また、複数の情報源からデータを取得し、その平均値を採用することで、極端な値や不正確なデータの影響を排除し、データの正確性と信頼性を確保しています。
チェーンリンク(LINK)の利用事例とエコシステム
チェーンリンクは、実際に多くのプロジェクトで採用され、その利用範囲は年々拡大しています。
① DeFi分野での活用
多くのDeFiプロジェクト（例：Aave、Compound、Synthetixなど）は、正確な価格フィードや外部データの提供のためにチェーンリンクのオラクルネットワークを利用しています。
これにより、借入や貸付、取引の自動執行などが、信頼性の高いデータに基づいて行われています。
② NFTとブロックチェーンゲーム
NFTマーケットプレイスやブロックチェーンゲームでも、チェーンリンクは現実世界のイベント情報や市場データを取得するために利用されています。
例えば、キャラクターの生成やNFTでの真正性検証さらにデジタルアートの価格評価やゲーム内アイテムの流通情報の取得等、より透明性のある取引が実現されています。
③ 企業との連携
Google Cloud、SWIFT、Oracleなどの大手企業がチェーンリンクと連携し、金融機関や企業向けの実用的なサービスが展開されています。
さらにチェーンリンクののオラクル技術は、保険分野やサプライチェーン管理において実用化が進んでいます。
チェーンリンクの技術は、金融、物流、保険などさまざまな産業における課題解決に貢献していることが分かります。
チェーンリンク(LINK)の価格動向
チェーンリンクの価格は、プロジェクトの採用状況、DeFi市場の拡大、提携ニュースなどによって大きく変動します。以下、主なフェーズごとに詳しく解説します。
- 2020年初期
2ドル～20ドル
- 2021年急騰期 ※最高値更新
約52ドル(約8,000円)
- 2022年調整・大幅下落期
22ドル
- 2023年停滞期
5ドル
- 2024年～
2025年上昇期30ドル
初期（2020年）
プロジェクト開始当初（2017年～2019年）は、認知度が低く流動性も限られていたため、価格は比較的低水準で推移していました。しかし、2020年に入り技術の信頼性とユースケースが注目されるにつれ、DeFi市場の拡大とともに徐々に価格が上昇していきました。
価格は2020年当初は2ドル付近でしたが、2020年8月には高値で20ドルまで価格が上昇しました。
急騰期 （2021年※最高値更新）
2021年に入ると複数の主要プロジェクトでの採用が発表され、投資家の注目を集め、LINK価格は急激に上昇しました。
2021年5月には史上最高値である約52ドル(約8,000円)を記録しました。
調整・大幅下落期（2022年～23年）
2021年5月には史上最高値をピークに2022年は大幅下落、2023年は5ドル付近のレンジ相場になりました。
ロシア・ウクライナの地政学リスクに加えて、各国のインフレで、中々上昇できない期間が長く続きましたが、2023年10月頃から価格上昇が始まりました。
現在と今後の見通し（2024年～25年）
最新の動向では、チェーンリンクはDeFi市場の成熟や企業との提携拡大さらにトランプ大統領選勝利の影響で、2024年12月には一時28ドルまで回復しました。これにより、長期的な成長が期待されています。
暗号資産市場全体の特性として、LINKの価格も非常にボラティリティが高く、規制動向や市場センチメントの変化に敏感に反応しますが、2024年からは上昇トレンドを形成しているように見えます。
ただし、競合プロジェクトや規制の影響、全体的な市場環境によって短期的な価格変動が続く可能性もあるため、投資判断は慎重に行う必要があります。
競合プロジェクトとの比較
同じ分散型オラクル・プラットフォームで、チェーンリンクとの競合と言われている、タイ発の仮想通貨「Band Protocol」、さらに分散型プロトコルの「API3」と比較してみましょう。
| 項目 | チェーンリンク | Band Protocol | API3 |
|---|---|---|---|
| 分散化 | 高い | 中程度 | 低い |
| 採用事例 | 2,100以上 | 限定的 | 限定的 |
| セキュリティ | 暗号証明付き | 一部中央集権 | 依存性あり |
今のところはチェーンリンクのプロジェクトが一歩も二歩もリードしてるね！今後も競合プロジェクトは出てくるだろうから要チェックだよ
チェーンリンク(LINK)が買える取引所
暗号資産チェーンリンク（LINK）は時価総額がトップクラスに高い通貨です。LINKは、ほとんどの仮想通貨取引所で取り扱っていますが、以下ではおススメできる国内取引所を厳選して紹介します。
Coincheck(コインチェック)
コインチェックは、初心者にも親しみやすい仮想通貨取引所です。
直感的な操作性とシンプルなインターフェースで、ビットコイン、イーサリアム、その他主要なアルトコインの取引が簡単に行えます。
また、金融大手のマネックスグループの傘下で、2段階認証や厳格な本人確認など高いセキュリティ対策が施され、安心して利用できるのも大きな魅力です。
スマートフォン対応のアプリや迅速な口座開設手続きにより、初心者でも手軽に始められる取引所として、多くのユーザーに支持されています。
GMOコイン(ジーエムオーコイン)
GMOコインも東証プライム企業GMOグループを親会社に持つ国内屈指の大手取引所です。
通常の取引所、販売所、積立、貸出、に加え、コインチェックでは提供していない「レバレッジ取引」などのサービスもあり、ユーザーに合わせた様々なサービスを提供しているのも魅力的です。
レバレッジ取引など、中級者以上の取引がしたい方は、GMOコインがおすすめです。
またスマホの専用アプリが使いやすいので、スマホで簡単に仮想通貨FXの取引もできます。
チェーンリンク(LINK)の将来性
チェーンリンクの将来性は、以下の点で期待されています。
① オラクル技術の普及と需要
スマートコントラクトが現実世界のデータを必要とする場面は今後さらに増加する見込みです。
競合プロジェクトの台頭に注意が必要ですが、チェーンリンクは既に2,100以上のプロジェクトで採用されていることから、オラクル技術のリードメーカーとしての役割も多く、さらなるシェアの拡大も期待できます。
チェーンリンクは、分散型オラクルネットワークとしてその技術力と信頼性から市場の標準となる可能性が高く、DeFiや保険、サプライチェーン管理などでの採用が進むことが予想されます。
② エコシステムの拡大
DeFi、NFT、ブロックチェーンゲームなど、さまざまな分野でチェーンリンクの技術が利用されることで、ネットワーク全体のエコシステムが拡大中です。
今後、さらに多くのプロジェクトが採用されることで、LINKトークンの需要が増し、価値の向上が期待されます。
またDeFi、NFT、ブロックチェーンゲームそれぞれの市場規模も右肩上がりに上がっていくと予想されているので、同時にチェーンリンクの需要も同じように増加する見込みです。
- DeFi市場
2024年に466億1,000万ドルと推定され、2029年には784億7,000万ドルに達する見込み - NFT市場
SDKI Analyticsの予測では、2024年に約856億ドル、2037年には約2,310億ドルに達する見込み - ブロックチェーンゲーム市場
2024年に148億ドルに達したことからIMARC Groupは 2033年までに 1兆1,728億ドルに達すると予想（62.59%の成長率）
| 市場 | 2024年 | 今後の予想市場 |
|---|---|---|
| DeFi | 466億1,000万ドル | 2029年 784億7,000万ドル |
| NFT | 856億ドル | 2037年 2,310億ドル |
| ブロックチェーンゲーム | 148億ドル | 2033年 1兆1,728億ドル |
③ 大手企業との戦略的提携
Google Cloud、SWIFT、Oracle など、グローバルな大手企業との提携は、チェーンリンクの技術力と実用性を裏付けるものです。
こうした提携は、従来の金融システムとの連携を進めるとともに、チェーンリンクがより幅広い分野で採用される基盤を強化する要因となります。
また2025年1月には、リップル社が発行するステーブルコインRLUSD（Ripple USD）の価格データをチェーンリンクのオラクルネットワークを活用してイーサリアム（ETH）ブロックチェーン上に提供することを発表しました。
これにより、DeFiアプリケーション開発者は、取引や貸借などの用途でRLUSDを安全に組み込むことが可能となります。またチェーンリンクとXRPともに価格への相乗効果も期待されています。
今後も大企業との提携があれば価格への影響はかなり大きなものとなります。
【まとめ】投資家へのアドバイス
チェーンリンク（LINK）は、スマートコントラクトが現実世界のデータを安全かつ正確に取得するための、非常に重要な分散型オラクルネットワークです。
その技術的優位性、豊富な利用事例、大手企業との連携、そしてガバナンスやインセンティブ機能が、今後の市場拡大と長期成長のカギを握っています。
一方で、暗号資産市場全体のボラティリティや規制動向など、短期的な価格変動のリスクも依然として存在します。
初心者の方は、まず基本的な仕組みや利用事例を十分に理解し、少額投資から始めるなど、慎重なリスク管理を行うことが大切です。
また、常に最新情報をチェックし、信頼できる情報源や専門家の意見を参考にして、投資判断を行いましょう。
チェーンリンク（LINK）を購入する場合は、簡単操作でLINKが買えるコインチェックの利用がおすすめです。
