国内仮想通貨取引所のコインチェック(coincheck)がビットコインキャッシュから派生したビットコインSV(BSV)を日本円で交付すると発表しました。ここではBSVの交付条件やBitcoin SVの詳細を分かりやすくまとめています。
コインチェックがビットコインSVを日本円で返還
日本の仮想通貨取引所コインチェック(coincheck)がビットコインキャッシュ(BCH)からハードフォークで誕生したビットコインSV(BSV)を日本円で付与すると発表しました。
正直、今までの国内取引所の対応を見ていると、ハードフォークコインを日本の仮想通貨取引所が付与するというのは、異例のことだと思います。
本来は、原則としてハードフォークで誕生したフォークコインに関しては、フォーク元の通貨を保有していれば相当額の新通貨が付与される仕組みになっています。
しかし、日本国内では資金決済法の関係上、厳しい審査基準に合格・ホワイトリスト入り・各取引所へのリスクなどなどから、ほとんどのハードフォークコイン(新通貨)の付与は見送られているのが現状です。
この記事では、そんな現状の中コインチェックがビットコインSV(BSV)を日本円で交付することになった背景には、どういったことがあったのか・・・ということも考察しています。
また、ビットコインSVの交付条件や、市場の声なども記載しているので併せて参考にしてくださいね!
なんでハードフォークしたら新通貨が貰えるの?
その話をすると長くなるからここでは「HFしたら相当額の新通貨が原則として貰える」とだけ理解できればOK!
ビットコインSV(BSV)とは
ビットコインSVは、ビットコインキャッシュ(BCH)からハードフォークで派生したアルトコインです。
元々はビットコインキャッシュも本家のビットコイン(BTC)からハードフォークで誕生した通貨でしたね。
そもそも何故、ビットコインSVが誕生したかと言うと、ビットコインキャッシュの開発人やマイナーの中で、二つのグループによる大きな意見の相違があったのが発端です。
一つは、現ビットコインキャッシュ(BCH)になっている「Bitcoin ABC」、そしてもう一つが現ビットコインSV(BSV)になっている「Bitcoin SV」です。
- 「Bitcoin ABC」は技術者やマイナーのグループ
- 「Bitcoin SV」はサトシナカモトのビジョンを反映させようとするクレイグ・ライト氏のグループ
ビットコインSV陣営は、ビットコインキャッシュが本来の仮想通貨やビットコインの非中央集権という考えから逸脱してきていると考えていました。
そして、意見が最後までまとまることはなく、2018年11月16日のハードフォーク(アップデート)の際にビットコインキャッシュ(BCH:ABC側)とビットコインSV(BSV)に決別してしまったということですね。
なかなか複雑だね
この時期は色々と大混乱したけど、今はABC・SV共に別々の道を歩んでいる感じだね
ビットコインSV(BSV)交付条件
本題のコインチェックからの交付条件や対象者ですが、下記にまとめてみました。
対象者 | ・2018年11月16日AM2:52:01のHFの時にCoincheckにBCHを保有していた ・2019年3月18日AM11:00時点でアカウントが生きていること |
交付額 | BCH保有量に応じて交付 |
交付日時 | 不明 |
注意事項 | ・BitcoinSVにのみ適用 ・貸仮想通貨アカウントも対象内 ・BCHのHFに伴う入出金停止期間中にBCHを入金した方は対象外 ・日本円の出金には手数料がかかる ・コインチェックのBitcoinSVの取扱は未定 |
公式発表 | https://coincheck.blog/ |
コインチェックにビットコインSVは上場する?
ビットコインSV(BSV)がコインチェックで上場する可能性は低いと考えられます。
というのも、上場するのであれば「日本円ではなくBSVの現物で配布する」もしくは、「上場までアクションを起こすことは避ける」と思われるからです。
時期について
交付日時や時期に関しては、市場価格等へ影響する可能性があるとして公表しないとしています。
コインチェックがBitcoinSV(BSV)を売却後に日本円で交付するとしているので、市場価格への影響を考えると時期の発表をしないことは、賢明な判断だと考えられますね。
レートについて
レートについても詳しくは、言及されませんでした。
ビットコインSV(BSV)の売却時期が分からない限り、レートについても不明ですが、現状で考えるとBSVが時価総額5位まで上がった時よりかは低いと考えるのが妥当だと思われます。
また、コインチェックのBSV売却時期と、日本円の交付の時期を大きくずらす場合は、現在のレートよりも下がっている・または上がっている可能性も考えれますね。
この辺りは難しい判断だけど、日本円で貰えるだけラッキーと考えよう!
市場の声や反応は
今回のコインチェックのビットコインSV(BSV)を日本円で付与する件に関して、市場の声も気になったので一部まとめてみました。
歓喜
コインチェック 仮想通貨ビットコインSVを日本円で交付へhttps://t.co/XeTVvx6spG
遅れてでもこういった対応してくれるのは嬉しいですし、信用に繋がりますね。
自力でハードフォークに対応できない人もいるし
長期的に考えて、顧客も取引所にとっても大切なことですね!— イケメンにーやん (@IW1VEjg8HOBCA3u) 2019年3月18日
coincheckでBCH塩漬けしてたら保有額相当のBitcoinSVの日本円交付もらえる事になったアツイ
— 健康 (@shooooooooow) 2019年3月18日
市場分析
コインチェックがBCHSVの補填を発表したことで他の取引所がどういう対応するかが気になる
— ゆいちゅう@仮想通貨 (@cheko_bit) 2019年3月18日
つまりコインチェックは今後ともフォークコインは自社が奪うんじゃなく付与するからみんな金入れろってことだ! https://t.co/mlDibG6hEY
— くりぱか (@Creeperker) 2019年3月18日
売り圧力の懸念
コインチェックのBSVを日本円での交付は 基本的に利確として扱うのか? ネムの時と同じかな?
あとコインチェックは売るのかな? BSVの日本円は交付するが BSVは どうするんだろ?
売るなら売り圧が凄い コインチェック何枚持ってるか知らんけど— 小さなXRPビッケ (@qtq64O9JCyl67Us) 2019年3月18日
coincheckによるBSVの売り圧
— ヨーロピアン (@sen_axis) 2019年3月18日
色々な意見があって、どれも納得だね
ビットコインSV(BSV)のチャート
一部では、コインチェックによるBSVの売り圧力の懸念が広がっています。
現に、コインチェックがBSVを日本円で付与すると発表した2019年3月18日11時にはBSVの価格が大きく崩れています。
ただこれは、コインチェックの売り圧力を懸念した一般投資家の売りだと考えられ、一時的なものではないかという意見もあります。
- 発表があった3月18日11時にBSVの価格が崩れる
- コインチェックは市場価格の影響を考えた売却をする?
- そもそもビットコインキャッシュの保有量がそんなにない?
- 一般の取引所ではなくOTC取引などの売却が通例?
個人的な意見ではありますが、コインチェックが市場価格に混乱を招くようなBSVの大量売却を一度にするとは到底思えません。
というか、そもそもコインチェックに預けられているビットコインキャッシュの保有数自体が少ないようにも思えます。
また、こういった取引は一般投資家が取引できる取引所ではなく、OTC取引(店頭取引)等による売却だと予想します。
取引所を介さずに当事者どうしが直接、売買取引を行う取引
といっても実際にBSVの価格が崩れているし、コインチェックの売却に関する詳細は全てシークレットだから、全部私の妄想だけどね…
個人的な意見とまとめ
私個人としては、コインチェックの今回のBSVを日本円として交付すると発表したことは大きな前進だと感じました!
国内の取引所は非常に規制が厳しいので、新しい通貨を交付したり、上場するのには様々な課題と問題に直面しています。
取引所は、フォークコインを還元したくても、規制やリスクを考えるとユーザーに新通貨を還元できないのが現状です。。が、しかしユーザー側からすると、そんな規制の話は関係ありません。
本当だったら、付与されるはずの通貨が「国内取引所に預けていたせいで貰えない」と思うのが普通の心情でしょう。「取引所の搾取だ」という声が挙がってきてしまうのも分からなくもないです。
かといって、新しく海外取引所を開設したり、フォークコインの取り出しが困難なウォレットに移したりするのは難しいと考える方も多いと思います。
今回コインチェックは、そんなユーザーの声に答えて、「規制やリスクがあるなら、安全な日本円にしてユーザーに返す」という選択肢を選びました。
もちろんマネックスグループという東証プライム上場企業の運営なので、規約にのっとった対応、もしくはコインチェックにユーザーを集めるためのマーケティングの一つという、したたかさといった背景もあるかもしれません。
ただ、そういった事も踏まえてもコインチェックにBCHを預けているユーザーにとっては嬉しい朗報だったのではないでしょうか。
コインチェックに預けるユーザーが増える可能性
コインチェックはNEMの不正流主事件で、悪い意味で一躍有名になった取引所です。
しかし、現在は証券などの経験が豊富な一部上場企業「マネックスグループ」の傘下になり、新しい仮想通貨取引所として完全に生まれ変わっています。
セキュリティ強化に重きを向け、顧客満足度を高めるための企業努力も感じられますね。
またフォークコインの上場が難しいのであれば、日本円にして返還するという選択肢を作ったことも国内市場における大きな一歩になったのではないでしょうか。
今後、他の国内取引所が今回の対応に追従するかは分かりませんが、コインチェックに預けておけばハードフォークの際に派生するフォークコインに対して何らかの対応をしてもらえる可能性を生み出しました。
何もしてもらえない取引所によりも、「なにかアクションを起こしてくれるかもしれないコインチェックに預けておこう」と思うユーザーも増えるかもしれませんね!