仮想通貨ネム(NEM/NEM)の特徴や過去のチャートや価格を記載してます。大型アップデートで誕生したシンボル(XYM)の詳細まで分かりやすく記載しているので参考にしてください。
仮想通貨NEM(ネム)とは
ネム(NEM/XEM)は国内では特に人気の高いアルトコインの一つです。
ネムは「NEW ECONOMY MOVEMENT」の頭文字を取ってNEM(ネム)と呼んでいます。通貨単位のティッカーは「XEM(ゼム)」と表記します。『ネム=NEM=XEM=ゼム』は全て同じ意味です。
2021年3月にはネムの大型アップデート「Symbol(旧カタパルト)」によって新しいプラットフォームと新通貨の「シンボル(XYM)」が誕生して多くの投資家から注目を集めています。
NEM/XEMの概要
名称 | NEM(ネム) |
ティッカー(通貨単位) | XEM(ゼム) |
リリース日 | 2015年3月 |
発行上限 | 8,999,999,999XEM |
取引承認システム | PoI(Proof of Importance) |
取引承認スピード | 約1分 |
開発 | NEM財団 |
ネムは2015年3月31日に公開され総発行量は8,999,999,999XEMでロックされており、現在は全て発行済み。始めは1,600人の投資家に均等にネムが分けられたのが始まりとされています。
ネムは新しく通貨の新規発行を行わず、ビットコインのようなマイニングがないことが特徴です。マイニングの代わりにハーベスティング(収穫)というものを採用しています。
またNEMは取引スピード(ブロック生成間隔)が約1分と早いのも特徴です。
ビットコインが約10分、ライトコインが約2.5分とされているので、取引スピードをみるとNEMはビットコインやライトコインよりも実用性にも優れているといえます。
NEM(ネム)の3つの特徴
NEM(ネム)は以下3つの大きな特徴を持っています。どれもNEM(ネム)を語る上では重要な要素になるので、一つずつ確認していきましょう。
① PoI(Proof of Importance)
ネムはPoI「Proof-of-importance」という取引承認システムが採用されています。PoIは、ネムの保有量やネムを実際に使用した量、取引をした人も考慮に入れてランク付けされるという考え方です。
ビットコインの取引承認システムにはPoW(Proof of Work)と呼ばれるシステムを採用しているため、潤沢な資金があり高機能なコンピューターを用意することができれば、マイニングによって取引承認を行うことができますが、一般的なコンピューターでは承認作業ができない状態です。
PoIの取引承認では高機能なコンピューターは必要なく、ネムの保有量や使用量などの貢献度が関係するため、ネム自体の流動性も高くなるような設計になっています。
またPoIの主な目的は、「世間一般の人」に力を与えることとされています。これはお金持ちから貧しい貧困層にお金が回ってくるシステムがネムには組み込まれているとも言えます。そのことから「富の再分配」とも呼ばれています。
② ハーベスト/ハーベスティング
ビットコインでは取引承認を行い報酬を得ることをマイニングと呼びますが、ネムでは取引承認は「ハーベスト/ハーベスティング(収穫)」と呼ばれる取引承認を採用しており、PoIにより貢献度のスコアに応じて報酬が発生します。
ハーベストで報酬を得る権利を獲得するには、1万XEM以上を保有する必要がありますが、取引承認スピードの1分毎にPoIにより決められたスコアによって報酬を得ることができます。
ネムを一定量保有している方であれば、ネムの貢献度に応じて誰でも平等に報酬が与えられるということですね。
委任ハーベスティング
ハーベストで報酬を得るにはノードを建てて行う必要があります。
しかしNEMの「委任ハーベスティング」というシステムを利用すると、ノードを建てなくても指定したノードに重要度を預けることによってハーベストに参加できるようになります。
③ アポスティーユ
NEMにはアポスティーユ(Apostille)と呼ばれる証明書発行ツールも用意されています。アポスティーユでは、改ざんできないブロックチェーン上に以下のような契約書・証明書を発行することができます。
- 土地やアート、写真、宝石、特許、音楽、自動車といったようなあらゆる所有権の登記
- 議事録や契約書、メール、ツイート、音声記録、ログ、タイムカードなどのタイムスタンプ記録
- 売り上げデータや会計データなど、後に監査が必要となる情報の記録
こういった重要な契約書や証明書をネムのアポスティーユ(Apostille)機能を使うことによって、発行することが可能になります。
mijin(ミジン)
mijin(ミジン)とは、テックビューロホールディングスが開発するプライベートブロックチェーンです。
mijinはネムのシステムを利用していることもあり、ネムのシステムはmijinで使うことができ、mijinのシステムもネムで使うことができるとても繋がりのある連携型のプロジェクトになります。
mijinはブロックチェーン技術を誰もが簡単に使えるように構築し「速い、安全、安い」という三拍子が揃った画期的なプラットフォームになっています。
mijinに関しては、様々な企業も注目しており、現在は金融機関のインフラコストを1/10まで削減することを目標として動いています。
ネムとmijinは関係性が非常に高いため、企業でのmijin採用が多くなるとネムにとっても流動性の向上につながると考えられています。
ネムのシンボル(Symbol)とは
2021年3月にネムの大型アップデートでもある「シンボル(Symbol)」のプラットフォームが稼働しました。これにより新しく「シンボル(Symbol)」「ティッカー:XYM」という通貨が誕生しました。
シンボルのローンチにより、ネムの保有者には同等量の新通貨「シンボル(XYM)」が配布されています。※国内取引所では対応が異なる
ネム(NEM)からシンボル(Symbol)になることで以下のような内容が大きく向上します。ネムの良い所を残しつつプラットフォームを一新することで大幅に機能向上させています。
- 処理速度の向上
- セキュリティの向上
- 実用性の向上
処理速度の向上
シンボル(XYM)は1秒に4000件(※プライベートチェーン)の処理が可能になるとされています。処理速度が非常に速いとされているリップル(XRP)が1秒に1000件なので、その約4倍もの速さになります。
ちなみにですが、ビットコインは1秒に3件から5件、イーサリアムは1秒に15件とされているので、ビットコインやイーサリアムとでは比べものにならないほどの処理スピードになりますね。
世界最速といわれているVISAカードの処理スピードが1秒で4000から6000件といわれているのでシンボルはVISAクレジットカードの速さに匹敵することにります。
- ビットコイン(BTC):3件から5件/秒
- イーサリアム(ETH):15件/秒
- リップル(XRP):1000件/秒
- VISAカード:4000から6000件/秒
- シンボル(XYM):4000件/秒
この処理速度の向上にセキュリティの向上などが加われば、日常生活の決済など実用性がかなり高い仮想通貨として使用される可能性もありますね。
シンボル(XYM)の詳細は以下の記事で詳しく解説しているので併せて参考にしください。
ネムの価値はどうなるの?
シンボル(XYM)はネム(NEM)のアップデートで生まれた新しい仮想通貨ですが、シンボルとネムは別々の仮想通貨で、異なるプラットフォーム上で稼働しています。
今後、ネムの新しい開発はシンボルに移行されるため、ネム既存の価値や価格もシンボルに移動すると考えられます。
ただし、ネムの開発が終了するわけではなく、シンボルとネムの開発は並行して行われるようです。ネムの価値や価格に関してはシンボルとの連携などにより大きく変化する可能性もあるので注意深くチェックする必要がありそうです。
ネム(XEM)のチャートと時価総額
以下がUSDT建てのネムのリアルタイムチャート(Binance)です。
ネム(NEM/XEM)の時価総額ランキング
下記はNEMのリアルタイムの時価総額ランキングです。
ネム(NEM/XEM)過去の価格推移
ここではネム(NEM/XEM)過去のチャートを記載しています。2017年当初は1円以下だったネムですが最高値では200円を超えるような場面もありました。
【2020年】ネムのチャート
2020年1月にネムの大型アップデートのカタパルトをシンボル(Symbol)に名称変更を行い、ティッカーをXYMとすると正式発表がありました。
シンボルの運用開始も年末に行うと発表されたため、シンボルの期待感からネム価格も年末に向けて高騰しました。
【2019年】ネムのチャート
2019年のネム(XEM)はかなり厳しい状態が続き10円以下を常に推移していました。5月から7月までは一時10円台まで回復しますが、その後は再び10円以下まで価格が下落します。
この頃、ネムの開発を行う「ネム財団が破綻する」と報じられて(実際には再編成だった)様々なところで悪い噂が流れてネム価格はさらに暴落してしまいました。
【2018年】ネムのチャート
2017年末から続くNEM/XEMの強気相場は継続し、2018年1月初めには200円を超えるような高騰を見せます。しかしコインチェックのネム流出事件と仮想通貨バブル崩壊と言われる下落相場でネム価格も暴落し2018年末には10円を切るような場面もありました。
吉報としては2018年には海外取引所のバイナンスやHuobiといった大手取引所でもネム(XEM)の取扱いを開始しています。
【2017年】ネムのチャート
2017年当初は1円以下でしたが年末には100円を超えて200円に迫る勢いで大暴騰しました。
これはビットコイン高騰の他に、カタパルト(現:シンボル)の実装間近、中国版LINEのWechatと提携した等のフェイクニュース等多くの要因が関係しています。
2017年12月19日ネムNEM高騰の理由
ネム(XEM)を取り扱っている取引所/NEMの購入
現在ネムは多くの国内取引所で取扱いがあります。仮想通貨取引によって特徴が異なるので、ご自身のスタイルに合った取引所で売買してみてくださいね。
入門者の方でとにかく簡単で分かりやすい取引所を求めている方ならcoincheck(コインチェック)がおすすめです。株式等の経験がある方ならZaif(ザイフ)で指値注文が可能、FXのようなハイリスクハイリターンならGMOコインでレバレッジ取引が可能ですよ。
コインチェックなら積立投資やレンディングサービスで金利を得ることもできるので長期投資でもおすすめです。
NEMの公式ウォレット
取引所でNEM/XEMを購入して、そのまま取引所にNEMを預けっぱなしにしておくのは非常に危険です。
たくさんの通貨が集まる取引所は悪意のあるハッカーの格好の的になります。取引所は通貨を預ける所ではなく取引をするところという意識を持ちましょう。
購入した通貨は専用のウォレットで自己管理することを強くおすすめします。
XEMの保管は公式からNano Wallet(ナノウォレット)が推奨されています。Nano Walletの使い方は下記の記事で詳しく記載しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ネム(NEM/XEM)の将来性について
ネムの一番の魅力はPoI「Proof of Importance」プルーフ・オブ・インポータンスにあると考えています。ネムにはマイニングがなく、PoIという「ユーザーの重要度」を重視して報酬が支払われる仕組みを取っています。
ある一定量のネムの保有は必要にはなりますが、ネムを使えば使うほど報酬が貰えるハーベスティングを採用することによって「富の再分配」を可能にしています。
ビットコインのマイニングには高性能なコンピューターが必要になりますが、ネムの取引承認には高性能なコンピューターやたくさんの電力も必要ではありません。
誰もがネムを使うことによって平等に報酬が分け与えられるということは、非常に魅力的な仮想通貨だと感じました。
またシンボル(XYM)が始動したことで今後の価値や価格は二分されるのかも注目されます。
ネムは2017年から大きな価格変動を繰り返しているので、今後もネムの情報からは目を離すことができませんね。