イーサリアム(ETH)の特徴や過去チャート価格の分析を解説しています。イーサリアムの今後や将来性、アップデートの詳しい内容なども記載しているので参考にしてください。
イーサリアム(Ethereum)とは
イーサリアム(ETH)とは仮想通貨の一つでビットコインに次いで時価総額で第2位に位置する人気の高い仮想通貨です。
イーサリアム(ETH)の価格は年比でも数十倍も高騰しており、価格や価値を大幅に伸ばしています。
イーサリアムは様々な仮想通貨の基になったり、数多くのDApps(分散型アプリケーション)開発の根幹になったりと非常に重要な役割を果たしています。
また今後も大型アップデートを控えておりさらなる将来性が期待されています。
イーサリアム(ETH)の概要
名称 | Ethereum(イーサリアム) |
通貨単位 | ETH |
リリース日 | 2015年7月 |
発行上限 | なし |
取引承認システム | PoW(PoSに移行予定) |
開発 | Ethereum Foundation |
公式サイト | https://ethereum.org/ja/ |
イーサリアムの通貨単位はETH(Ether/イーサ)と呼ばれています。発行上限は事実上はなし。マイニングアルゴリズムはビットコインと同じPoW(プルーフ・オブ・ワーク)ですが、将来的にはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行予定です。
イーサリアムは正確にはビットコインのような決済に使うような通貨ではなく、スマートコントラクトを利用した「イーサリアムプロジェクト」と呼ばれるプラットフォームの総称です。
イーサリアムプロジェクトで使われる仮想通貨をETH(イーサ)と呼びますが、現在ではイーサリアム自体が固有名詞となっています。
イーサリアム(ETH)の特徴
イーサリアムの最大の特徴は「スマートコントラクト」ですが、その他の特徴やイーサリアムの歴史を語る上では外すことができないイーサリアムクラシックについてブロックを分けて解説していきますね。
① スマートコントラクトとは
スマートコントラクトとは、不正や改ざんできないブロックチェーンに契約条件を付け加えられるというものです。スマートコントラクトは「契約の自動化」とも呼ばれています。
例えば、家を購入するとなると支払いの他に様々な書類や契約書に署名や捺印が必要になりますが、そういった面倒な書類や契約書などの情報を改ざんできないブロックチェーンに「スマートコントラクト」として書き込むことが可能となります。
これがブロックチェーンに契約を結び付けた「スマートコントラクト」です。
従来の仮想通貨の取引(ブロックチェーン)だけでは、どういった契約(約束)かは分かりませんが、スマートコントラクトを使うと取引に契約内容を書き込めるので企業やユーザーは大幅に手間やコストを削減できます。
② 発行上限や半減期がない
イーサリアム(ETH)には発行上限や半減期がありません。ビットコインには2100万BTCという発行上限と半減期があるため希少価値が高くなるように設計されています。
発行上限がない通貨はデフレにはなりにくいですが、通貨価格が安定するというメリットがあります。
またイーサリアムにはビットコインのようなマイニング報酬が半分になる半減期はありませんが、マイニング競争の激化を防ぐためにアップデートの「ビザンチウム」で『5ETH → 3ETH』へ、「コンスタンチノープル」で『3ETH → 2ETH』へマイニング報酬を減額しています。
③ 取引スピードと手数料
ビットコインの取引スピード(ブロック生成時間)は10分に1回に対して、イーサリアムの取引スピードは15秒に1回とかなり速く作られています。また取引手数料もビットコインと比べて非常に安く設計されているのも特徴です。
しかし近年では数多くのプロジェクトがイーサリアムのシステムを利用していることによって、処理が追い付かずに、取引の遅延や手数料の高騰が問題視されています。
こういったスケーラビリティ問題と呼ばれるイーサリアムの通信渋滞は、その都度アップデートで対応していますが、次回のセレニティという大型アップデートでも激的に改善される予定です。
④ イーサリアムクラシックとは
イーサリアム(ETH)を語る上では外せないのが「イーサリアムクラシック」です。イーサリアムクラシックは、現在の「ビットコイン」と「ビットコインキャッシュ」と同じように元々は一つのものでしたが、THE DAO事件をきっかけに意見の食い違いでハードフォークにより二つに分かれたものです。
イーサリアム上で行われた「THE DAO」というプロジェクトで発行したDAOという仮想通貨の大きな欠陥ををついたハッキングのこと。この「THE DAO事件」では約360万ETHものイーサリアムがハッカーに盗まれています。
イーサリアムクラシック(ETC)については下記の記事でまとめています。
アップデート「イーサリアム2.0」
元々イーサリアム(ETH)には4段階の大型アップデートが用意されており、そのうちの3つはすでに完了してます。
最後に当たる4つ目のアップデートがイーサリアム2.0(ETH2.0)とも呼ばれている「セレ二ティ(Serenity)」になります。
- フロンティア(Frontier)
- ホームステッド(Homestead)
- メトロポリス(Metropolis)
- セレ二ティ(Serenity)
- 1回目
2015年フロンティア(Frontier)バグの修正や基本的機能の実装
- 2回目
2016年ホームステッド(Homestead)プラットフォームとしての機能を実装
- 3回目
2019年メトロポリス(Metropolis)セキュリティの強化、プライバシー保護強化、スマートコントラクトのコスト削減
- 4回目
2021年?セレ二ティ(Serenity)PoWからPoSへ移行、シャーディングの実装
セレニティで何が変わる?
イーサリアムの最終アップデートのセレニティではコンセンサスアルゴリズム(マイニング方式)の変更とシャーディングの実装(スケーラビリティ問題への対策)が取られる予定です。
- コンセンサスアルゴリズムの変更
- シャーディングの実装
①コンセンサスアルゴリズムの変更
セレニティではコンセンサスアルゴリズム(マイニング方式)が従来のPoW(プルーフオブワーク)からPoS(Proof of Stake/プルーフオブステーク)に変更される予定です。
PoW(プルーフオブワーク)とはビットコインで使われている同じマイニング方式で、取引を成立させるために大量の電力を消費する従来の方法です。
イーサリアムでは取引量の増加と伴い大量の電力を消費してしまうPoWを廃止して、イーサリアムの保有量に応じて抽選で認証作業が出来るPoS(プルーフオブステーク)を取り入れようとしています。
②シャーディングの実装
現在イーサリアム上で非常に多くの処理が実行されているため、スケーラビリティ問題と呼ばれる処理能力が足りていない状況になっています。
取引の遅延や取引手数料の高騰が問題視されている中で、シャーディングが実装されることによって、データの処理をいくつかのブロックチェーン(シャードチェーン)に分散させることができます。
このシャーディングの実装で手数料を下げたりといったスケーラビリティ問題への対策を行おうとしています。
セレニティの予定はいつ?
当初セレニティ実装の予定は2020年1月でした。しかしセレニティ前のメトロポリスの議論が長引いてしまったため、未だにセレニティは実装されていないのが現状です。
メトロポリスは「ビザンチウム」と「コンスタンチノープル」の2つに分けて実装されましたが、最終アップデートに当たるセレニティも「フェーズ0」「フェーズ1」「フェーズ1.5」「フェーズ2」の4つのフェーズに分けられており、2021年上旬ではまだ「フェーズ0」の開発途中となります。
- フェーズ0
- フェーズ1
- フェーズ1.5
- フェーズ2
セレニティの最終段階に当たる「フェーズ2」が実装されるまでは最低でも2年はかかるとされていることから、2023年から2024年まで開発が続くものと考えられます。
イーサリアム(ETH)のチャート
下記がETH/USDTのBinanceのリアルタイムチャートです。時間軸はデフォルトでは日足で設定されていますが、変更可能です。
下記はイーサリアムのリアルタイムの時価総額と日本円の価格です。
イーサリアム過去のチャート・価格推移
下記がイーサリアムの主な価格の推移です。イーサリアムがローンチしたのは、2015年の7月ですが、実際に上場したのは2016年の1月からになります。
- 2016年1月 = 100円台
- 2016年3月 = 1,600円台
- 2017年末から翌1月 = 16万円
- 2018年 = 1万円台
- 2019年6月 = 3.6万円
- 2020年 = 3万円台
- 2021年4月 = 29万円~
イーサリアム(ETH)が上場したばかりの金額は100円台からスタートしました。2016年3月にはアップデートの「ホームステッド」で1600円台まで高騰、2017年末の仮想通貨バブルでは一時16万円台まで急騰しました。その後2018年にはバブル崩壊と中国のICO規制で1万円台を切る場面もありました。
2019年6月にはアップデート「コンスタンティノープル」の期待感から3.6万円まで戻しますが、その後は2020年に入るまでは1万円台~2万円台をさまよっています。
2021年に入ってからは破竹の勢いで上昇し続け、2017年末のバブル相場の価格を超えて上昇し続けています。
過去のチャートを見てもイーサリアム(ETH)の価格は大型アップデートの期待感で価格が上昇しています。2021年以降もセレニティのフェーズに合わせて価格が上昇する可能性が高いのでアップデート情報は要チェックですね。
イーサリアム(ETH)が購入できる取引所
国内の取引所であれば、ほぼ全ての取引所でイーサリアム(ETH)を購入することができます。
取引所で購入するのであれば、GMOコインかビットバンクが手数料が安くておすすめです。レバレッジ取引を行いたいならDMM Bitcoinもおすすめですよ。
イーサリアム(ETH)は、ほぼ全ての仮想通貨取引所で取扱っていますが、ポイントは「取引所形式」か「販売所形式」かという所を確認してくださいね。
取引所形式はユーザー同士の取引で手数料が安いのが特徴、販売所形式は会社とユーザーの取引になり簡単に取引が出来る代わりにスプレッドという隠れた手数料が発生します。
取引所の手数料は約0.1%なのに比べて、販売所のスプレッドは3%~5%もあるので、少しでも安くイーサリアム(ETH)を購入したいのであれば、GMOコインやビットバンクの取引所形式での購入がおすすめです。
下記の記事ではイーサリアム(ETH)を購入する際に気を付けておきたいポイントをまとめています。併せて参考にしてくださいね。
イーサリアムの今後や将来性について
アルトコインには「明確なビジョンがあるかないか」がそのアルトコインを見極める大きなポイントです。
イーサリアムには「スマートコントラクト/契約の自動化」という明確なビジョンがあります。このスマートコントラクトのシステムはDApps(分散型アプリケーション)の広がりと共に大企業も注目している優れたシステムと言えます。
イーサリアムの今後のアップデートでも期待大
またイーサリアム(ETH)にはセレ二ティという大規模なアップデートが控えています。今のイーサリアム(ETH)はまだ完全体ではない、未完全というところにもイーサリアム(ETH)の今後の将来性を感じます。
どのアルトコインやビットコインでも同じようなことが言われていますが、イーサリアム(ETH)も短期間で凄まじい急成長を見せている仮想通貨です。2021年に入ってからは翌年比で10倍以上、リリースからすると数千倍もの金額になっています。
これからイーサリアム(ETH)はまだまだ進化していく仮想通貨です。その過程では当然いくつもの困難が待ち受けていることも考えられます。しかし、それを乗り越えてスマートコントラクトが世界の常識になった時のイーサリアム(ETH)の価値は計り知れないものになっているのではないでしょうか。
イーサリアム・アライアンス(EEA)
最後になりましたがイーサリアム(ETH)の価格上昇には「エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA)」と呼ばれる非営利団体の動向もチェックしておきたいです。
「エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA)」はイーサリアムの技術を企業に取り入れようとする企業連盟です。
マイクロソフト、トヨタ、三菱UFJなどの世界各国の超一流企業などもこのEEAに賛同して話題になりました。今後もEEAの活動が活発になったり、大企業の賛同でイーサリアム(ETH)の価格も上昇する可能性は非常に高いですね。
イーサリアム(ETH)について要点まとめ
またイーサリアムについては追記情報が出次第どんどん更新していきたいとおもいます。