ビットコインは、その登場以来「ブームと暴落を繰り返すジェットコースター相場」として知られてきました。
実際、発行時の数セントから史上最高値100,000ドル超への急騰を経験しつつ、30%〜90%を超える大幅調整を何度も味わっています。
背景には、投資家の過熱心理、規制強化、技術トラブル、世界的な経済不安など多様な要因が絡み合っており、そのたびに市場は激しく揺さぶられてきました。
本記事では、2011年から2025年までの過去の代表的な暴落事例を紐解きながら、ビットコインの暴落の歴史を時系列でわかりやすく解説します。
ビットコイン暴落の理由や流れを知ることで、ビットコイン価格全体の動きを把握でき、さらに暴落から学べる教訓や乗り越え方も紹介するので、最後まで読んでみてくださいね!
ビットコインの暴落の歴史
ビットコインは価格の乱高下が激しいことで有名です。上がるときは一気に跳ね上がりますが、下がるときも容赦ありません。
そんな暴落の歴史を、年ごとに追ってみましょう。初心者の方にもイメージしやすいように、具体的な数字と背景を丁寧に説明しますね。
2011年の暴落

ビットコインがまだマイナーだった2011年6月。価格は約30ドルから一気に2ドルまで落ちました。
下落率は約93%です。主な原因は、当時世界最大の仮想通貨取引所だった「Mt.Gox」がハッキングされたことです。大量のビットコインが盗まれ、市場がパニックに陥ってしまいました。
ただし、まだまだ市場が小さく、参加者もかなり少ない中で2011年5月からビットコインは急騰し、市場への過熱感も高すぎたという点も留意したいところです。
2013年の暴落

2013年4月、キプロス銀行危機による資金逃避でビットコイン需要が急増し、価格は約60ドルから230ドルへと数週間でほぼ4倍に急騰しました 。
しかし、ビットコイン内部のブロックチェーンフォーク問題(Bitcoin Core v0.8への移行時にバグが発生)で取引停止が発生し 、仮想通貨取引所の処理遅延やMt.GoxへのDDoS攻撃が連鎖した結果、同日中に約67ドルまで急落してしまいました。
その後、システム復旧後には数日で100ドル台に反発していますが、当時の教訓は現在の投資家にも通じる重要ポイントで、リスク管理の重要性を改めて示しました。
2017年~2018年の暴落

2017年12月はビットコインの歴史でも劇的な時期。価格が約20,000ドルまで跳ね上がりました。
価格が高騰した理由は、「ビットコイン先物取引の上場に伴う機関参入」、「個人投資家のFOMO(乗り遅れたくないという心理のこと)」、「ICO資金の大量流入」などが挙げられます。
一方で年が明けた2018年には、暴落が続き、最終的には3,000ドルまで下がりました。下落率は2万ドルから考えると約85%です。
暴落の原因は、中国をはじめとした各国の規制強化と不透明感、ICOバブルの崩壊、深刻なセキュリティ事故、さらには広告規制による情報遮断という要因が重なり合い、史上まれにみる下落を招くことになりました。
これらの教訓から、技術的・運営的リスクの管理、規制動向の注視、分散投資の重要性を再認識することが、現在の暗号資産投資にも通じる重要なポイントと言えるでしょう。
2020年の暴落

2020年3月、約10,000ドルから4,000ドル台に。下落率は約60%です。
2020年3月の暴落は、「世界的なコロナショックによるリスクオフ」が主な理由ですが、「証拠金・流動性リスクの顕在化」「原油価格の大混乱」という三重苦が同時に襲来した結果です。
これらの教訓は、暗号資産のリスク管理と市場インフラの脆弱性を改めて浮き彫りにしました。
2021年の暴落

2021年5月、64,000ドルから30,000ドルへ急落。下落率は約50%でした。
この暴落にもまたまた中国が絡んでます。中国人民銀行は金融機関と決済サービス会社による暗号資産関連業務を全面禁止すると発表し、大口顧客を中心に売り注文が加速しました。
さらに同年の6月には「マイニング(ビットコインを掘る作業)」までもを禁止という規制が発表されました。この中国の規制により市場全体が大きく落ち込んでしまいました。
2022年の暴落

2022年はビットコインにとって、1年を通して暴落の年となりました。この年は上旬、中旬、下旬と分けて暴落の歴史をたどります。
上旬の暴落は、アメリカのFRB(連邦準備制度)が急速なインフレ抑制のために大規模な利上げを発表したのがきっかけです。
同年中旬の暴落は、TerraUSD/LUNAというステーブルコインがペッグ(1ドル維持)を失い、同エコシステムのLUNA価格がほぼゼロに暴落し、市場の信頼が地の底になり、市場全体が落ち込みました。
そして、同年下旬は、LUNAの崩壊により、FTXという海外大手仮想通貨取引所が破産に追い込まれてしまい、ビットコインも暴落してしまいました。
前年21年11月高値の約65,000ドルから22年11月安値の約15,000ドルと考えると、1年間で約75%の大暴落となってしまいました。
2023年の暴落

2023年はそこまで大きな大暴落はありませんでしたが3月には、28,000ドルから20,000ドルまで落ちました。下落率は約28%。
2023年3月、FRB(連邦準備制度理事会)のハト派からタカ派への転換観測が強まりリスク資産売りが拡大しました。さらに、FTX破綻に伴うSilvergate銀行の業務停止・清算発表がネットワークダウンを招きビットコイン市場の混乱に拍車をかけました。
3月10日にはシリコンバレーバンク破綻で世界的な銀行危機が加速し、出金不安と流動性低下が連鎖的な売りを誘発し、一時2万ドル割れとなりました。加えて、量的緩和縮小や金利先高感がリスク資産への売りを後押ししました
2024年の価格動向

2024年はビットコインにとって歴史的な年でした。3月に約73,000ドルを超える新記録を更新し、12月にはついに100,000ドルを突破。しかし、9月には55,000ドルを下回るなど、価格の変動が激しい年となりました。
特に、FRBの早期利上げ観測や、米国の弱い経済指標を受け、景気後退懸念が深まり、投資家のリスク回避志向が高まりました。それでも、過去のような大規模な暴落はなく、ビットコインは底堅さを示しました。
2025年の価格動向(2025年4月現在)

2025年は、4月現在、ビットコインは大きく価格を落としています。トランプ政権の政策期待の剥落、米中関税緊張、Bybitのハッキング、ETF資金流出などが複合的に作用し、2月~4月にかけて複数回にわたる急落が発生しました。
暴落の歴史を表でまとめ
年度 | 価格ドル(前→後) | 下落率 | 主な原因 |
---|---|---|---|
2011 | 30 → 2 | 93% | Mt.Goxハッキング |
2013 | 230 → 67 | 70% | 市場の過熱・取引所のキャパ超過 |
2017 | 20,000 → 3,000 | 85% | 市場の過熱・中国の規制・ICOバブル崩壊 |
2020 | 10,000 → 4,000 | 60% | コロナ経済混乱 |
2021 | 60,000 → 30,000 | 50% | 中国の規制・マイニング禁止 |
2022(中) | 40,000 → 18,000 | 55% | FRB利上げ・LUNA崩壊 |
2022(下) | 21,000 → 15,000 | 28% | FTXの破綻 |
2023 | 28,000 → 20,000 | 28% | 銀行破綻によるリスクオフ |
2024 | 68,000 → 53,000 | 22% | 米国の弱い経済指標 |
2025 | 100,000 → 76,000 | 24% | 関税問題(4月現在) |

この表を見ると、暴落の原因って毎回違うけど、市場がビックリするような出来事が引き金になってるのがわかりますね。
ただし、ビットコインチャートを一歩引いて全体を俯瞰して見てみましょう。

上のチャート(週足)はビットコインの10年以上の歴史です。細かく上下を繰り返していますが、大きく下がっているのは、やはり2018年と2022年の2回ぐらいです。もちろんどちらも、回復後、最高値を更新しています。

今後も同じような上下を繰り返すことが予想されるね
ビットコイン暴落の原因って何?
暴落の歴史を見ていくと、いくつかのパターンが浮かび上がります。原因を知れば、次に備えられるかもしれません。主な原因を5つ挙げてみますね。
市場が熱くなりすぎる(バブル・過熱)
- FOMO(Fear Of Missing Out)と呼ばれる「乗り遅れたくない」という心理が、急騰期に多くの個人投資家を市場に誘い込み、バブルを形成します。
- メディアやSNSでの「史上最高値更新間近」といった過熱報道が追い打ちをかけ、ピークでの買いが加速し、結果的に調整局面で急落を引き起こします。
- バブルは価格の真の価値を超えた過度な期待によって膨らみ、はじける際には短期間で大幅下落となる典型的なパターンをたどります。
規制が厳しくなる
- 中国の全面禁止:人民銀行などが暗号資産取引・マイニングを禁止すると発表すると、国内外で大規模な売りが発生します。
- 米SECなどの取り締まり強化:FTX崩壊後、各国規制当局が一斉に規制強化を叫び、法的リスクを嫌った機関投資家がポジションを縮小します。
- ICO禁止や資金洗浄防止措置:過去にICOを規制した際にも、新規資金流入が急減し、一時的に市場全体が冷え込んだ例があります。
技術的なトラブル
- 取引所ハッキング:Mt.GoxやCoincheck、Poly Network、Bybitなど大規模ハック事件では、顧客資産流出の恐怖から短期間で価格が急落しました。
- プラットフォームのセキュリティ脆弱性:オンライン取引所は度重なる攻撃にさらされ、流動性が一時凍結されることで売りを誘発します。
- チェーンフォークやトランザクションマレアビリティ:ソフトフォーク時の不具合で取引が一時停止されると、23%を超える急落を記録したケースもあります。
経済の波
- COVID‑19ショック:2020年3月の世界的な株安に連動し、40%超の暴落を見せた例があります。
- FRBの金融引き締め:インフレ抑制策として利上げ観測が高まると、「リスクオフ」マインドがビットコインにも波及します。
- 世界的な景気後退懸念:主要国の経済指標悪化などがあると、リスク資産から逃避する動きが強まり、大幅下落を招きます。
社会や政治の不安
- ロシア・ウクライナ戦争:侵攻開始直後、リスク資産売りが一斉に動き、7.9%の急落が観測されました。
- 世界的な銀行危機や金融機関破綻:SilvergateやSVB、Signatureなど暗号資産関連の銀行が相次いで危機に陥ると、ネットワーク停止による流動性枯渇が起きます。
- 政府・中央銀行の政策変更や地政学リスク:制裁や貿易摩擦、政変などが起こると、投資家心理が一気に冷え込み、売りが加速します。
暴落から何を学べる?
暴落って怖いけど、そこから得られる教訓もあります。私が初心者だった頃、こういう知識があればもっと冷静でいられたかもと思う5つのポイントを挙げているので参考にしてください。
投資にはリスクがつきもの
ビットコインは儲かる可能性もあるけど、暴落のリスクも大きいということを必ず理解しておきましょう。投資はギャンブルではないので、リスクをちゃんと知っておきたいですよね。
市場は揺れるもの
ビットコイン価格が上下するのは当たり前です。2018年、2020年の大暴落で慌てた人も、時が経ち冷静になれば買い時だったかも…波に振り回されない心が大事です。
長い目で見よう
短期で焦るより、長期で見ると絶対に価格は回復しています。2011年の90%の暴落も、2018年、2022年の大暴落も下落前の最高値を必ず更新しています。木を植える気持ちで待ってみませんか。
分散が大事
資産を全部をビットコインに突っ込むのは危険すぎます。他の仮想通貨や株やゴールドなどに分ければ、暴落のダメージが減ります。卵を一つのかごに盛らない、ってやつですね。
情報が命
暴落の前には必ず何かの兆候があるもの。2021年の中国の規制だって、ニュースを追ってれば予測できたかも。情報収集って、ほぼほぼ宝探しのようなものです。
暴落の情報だけではなく、高騰する情報もたくさんあるので、情報収集は本当に大切です!もちろんSNSなどには詐欺の情報もかなり多いので、気を付けてくださいね。
暴落を乗り越えるコツ
暴落が来ても慌てないで済む方法、あるんです。私も実践してるコツです。
ドルコスト平均法の活用
一定額を定期的に買い続ける(積立する)ことで、価格変動の平均化を図れます。急落の直撃を避け、投資タイミングを分散できるため、心理的にも負担が軽減されます。
長期資の世界では、このドルコスト平均法(積立投資)はかなり優れた投資方法とされています。コインチェックなどで、手数料無料で積立ができるので、無心で長期投資をすることができるのでおすすめです。
損切りルールと利確戦略
あらかじめ損失許容ライン(例:購入価格から10%下落)を決め、その水準で自動的に売ることで、想定以上の損失を防ぎます。同様に、利益確定ポイントも設定すると、暴落前の利を守りやすくなりますよ。
資産配分(ポートフォリオバランス)
暗号資産の保有比率を過度に高めず、株式や債券、ゴールド、現金(ドル)など他資産クラスとのバランスを維持することで、暴落時の総資産下落幅を抑えることができます。
あくまで仮想通貨・暗号資産は価格変動が激しいリスク資産として考えましょう。
セキュアな保管とリスク削減
取引所リスクを避けるため、ハードウェアウォレットやコールドウォレットを利用し、自分で秘密鍵を管理する習慣をつけましょう。
メンタルトレーニング
暴落時に冷静さを保つには、日頃からメンタル面のトレーニングを行います。ルール化された投資戦略を持つことで、感情的な売買を防げます。
基本的に、現物の長期保有を決め込んでる私は、暴落が来ても「いつものこと…どうせいつかは戻る」とネガティブに考えず、気楽に考えています。
情報収集と学習継続
機関投資家の動向や規制ニュース、技術アップデートを継続的にフォローし、変化に迅速に対応できる情報網を構築することが、自信を持った判断につながります。
また精神衛生上も、短期投資やよく分からないチャート分析、絶対に儲かるという話には乗らないのが鉄則です。
まとめ
ビットコインは誕生以来、大小さまざまな暴落を繰り返してきました。2011年の93%急落をはじめ、2018年や2022年の急落にはそれぞれ「投資家の過熱」「規制強化」「技術トラブル」「世界経済のショック」といったドラマがありました。しかし、暴落はただの「怖い出来事」ではありません。リスクを知り、市場の上下動に慣れることで、長期的視点を持つ重要性や分散投資の効果が学べます。
また、アメリカや中国の規制動向、日本国内の税制改正(雑所得55%→分離課税20%を目指す動き)など、法律・制度面も徐々に整備されつつあり、暴落率は年々縮小傾向にあります。これは市場が成熟し、“ただの投機”から“価値ある金融資産”へと進化している証拠とも言えます。
結局のところ、暴落に対してできる最善策は、「情報を集める」「ルールを決める」「心の準備を整える」こと。初心者もベテランも、この3つを守れば、ビットコインのジェットコースター相場も安心して楽しめるはずです。
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