イーサリアムクラシック(EthereumClassic)ETCの特徴や今後の将来性について記載しています。イーサリアムクラシック(ETC)とイーサリアム(ETH)の違いやチャート、高騰理由なども分かりやすく解説しています。
イーサリアムクラシック(ETC)とは
EthereumClassic(イーサリアムクラシック)は、イーサリアムから分裂した通貨です。スマートコントラクトなどの大まかな性能はイーサリアムと同じです。
決済用の通貨よりもプラットフォームとしての役割に期待されている通貨で、THE DAO事件で誕生した仮想通貨なので、セキュリティや安全性を重視した通貨になります。
イーサリアムクラシック(ETC)の大きな特徴は、仮想通貨の根本的な理念でもある非中央集権な思想を強く持った通貨です。
日本ではイーサリアムクラシックを略して「イークラ」と略称でも呼ぶこともありますね。
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EthereumClassic(イーサリアムクラシック)の概要
名称 | EthereumClassic(イーサリアムクラシック) |
通貨単位 | ETC |
リリース日 | 2016年7月20日 |
発行上限 | 2億1000万ETC |
取引承認システム | PoW(Ethash/Casper) |
公式サイト | Ethereum Classic公式サイト |
Ethereum Classic(イーサリアムクラシック)の通貨単位はETCで、発行上限はイーサリアム(ETH)の無制限とは異なり、2億1000万ETCを上限予定としています。
イーサリアムクラシックは、THE DAO事件が起った2016年6月の翌月の7月にイーサリアムのハードフォークにより誕生しました。
イーサリアム(ETH)の詳細は下記の記事から確認できます。
THE DAO事件とは
THE DAO事件とは、イーサリアムが「TEH DAO」というトークンを発行した時に、THE DAOのプログラムの惰弱性を突かれて、150億円分発行されたうちの約50億円分にあたる、約360万ETHが盗まれたハッキング事件のことです。
イーサリアム自体のバグではなかったものの、イーサリアムの価値を大きく落とすことになりました。
その結果イーサリアムはこの事件をなかったことにしようと「ロールバック(巻き戻し)」(以前とは互換性がないブロックチェーンを新たに作る作業であるハードフォーク)を実施しました。
しかし、本来は管理者を持たない非中央集権のイーサリアムがソースコードを書き換えるのは、おかしいと開発者の中でも反発があり、コミュニティが二つに分断してしまいました。
そしてハードフォークを行った側が新生イーサリアム(ETH)になり、ハードフォーク反対派が以前のソースコードを引き継いだイーサリアムクラッシック(ETC)になりました。
- ハードフォーク実行派=イーサリアム(ETH)
- ハードフォーク反対派=イーサリアムクラッシック(ETC)
イーサリアムクラシック(ETC)とイーサリアム(ETH)の違い
イーサリアムクラシック(ETC)とイーサリアム(ETH)は元々同じ通貨だったので、スマートコントラクトの搭載など基本的な性能はほぼ同じです。
イーサリアムと大きく異なるところは、イーサリアムクラシックは過去のTHE DAO事件を教訓に拡張性を犠牲にする代わりに、安全性とセキュリティを最も重視している点です。
改変できない部分があるため、新しく出たシステムやサービスに対応しにくいという問題がありますが、徐々に開発が進んでいるのでイーサリアムクラシックの価値も見直されるようになってきました。
全ての仮想通貨の基盤になっているビットコインは非中央集権の考えが強く、一部では中央集権な思想が嫌われる側面があります。
最も大切なのは管理者がいない非中央集権な考えと『コードが法律(Code is Law)』という理念が強い通貨です。
- イーサリアムは「communtiy is law」(コミュニティが法律)
- イーサリアムクラシックは「Code is Law」(コードが法律)
発行上限がある
その他、イーサリアムクラッシック(ETC)とイーサリアム(ETH)の大きな違いとして、発行上限の違いがあります。
イーサリアム(ETH)には通貨の発行上限がありませんが、イーサリアムクラッシック(ETC)には2億1000万ETC(~2億3000万ETC)という通貨の発行上限が存在ます。
一般的には発行上限が決められている通貨は、需要が増えることによって希少性が増し価格が上がりやすいとされています。また反対にイーサリアム(ETH)のような発行上限がない通貨は価格が安定しやすいとされています。
- 発行上限がある:価格が上がりやすい
- 発行上限がない:価格が安定しやすい
しかし、近年ではイーサリアム(ETH)の価格も大きく上がってきていることから、発行上限の有無よりも通貨自体の価値の方が相対的に重要性があるといえます。
イーサリアムクラシック(ETC)の特徴
- 非中央集権的
- 発行上限
- IoTでの活用
イーサリアムクラッシックの特徴としては、THE DAO事件で前述しているように「非中央集権」であることが一番に挙げられます。続いてイーサリアム(ETH)との違いでも説明している「発行上限がある」というのも特徴です。
またイーサリアムクラッシックでは「IoTでの活用」に期待されているのも大きな特徴です。
IoTでの活用
イーサリアムクラッシックはIoT(Internet of Things)のプラットフォームとしての開発を進めています。※IoTはモノとインターネットを繋ぐ仕組みのこと。
例えば、今は様々な家電がIoTでつながっています。テレビ、エアコン、電気、お風呂なんかもネットを通してスマホで管理することができますよね。
そういった多くのデータをイーサリアムクラッシックのブロックチェーンを使って効率よく管理できるようにする仕組み開発を進めています。
問題点(51%攻撃)
イーサリアムクラッシックは過去に51%攻撃を3度も受けている仮想通貨です。
51%攻撃とは、ブロックチェーンのハッシュレート(計算力)の51%以上を支配して不正な取引を行うこと。
51%攻撃を受けるということは、通貨全体の計算能力(言い換えれば時価総額)が低いことを意味しています。
51%攻撃による損害額は大きくなかったものの、2020年にはイーサリアムクラッシックの取り扱いを見直す取引所や、送受信を一時停止する取引所もあり、大きな混乱を呼びました。
今後は、開発側の長期的な対応が必要な他、マイニングアルゴリズムの見直しなど根本的な対応が必要になると考えられます。
イーサリアムクラシックのチャート
下記はイーサリアムクラシック(ETC/USDT)のBinanceでのリアルタイムチャートです。時間軸は日足がデフォルトになっています。
ETCの時価総額ランキング
下記はイーサリアムクラシック(ETC)のリアルタイムの時価総額ランキングと現在の価格です。
イーサリアム価格との相関関係
イーサリアムクラシック(ETC)とイーサリアム(ETH)の価格変動には相関関係が見られます。
元は同じ通貨だったため、イーサリアムに良いニュースが入り価格が上昇するイーサリアムクラシックも連動して価格上昇するという同じような動きが見られました。
しかし最近では、お互いの開発状況やハードフォークによって独自の価格の値動きをしているところも多々見られます。
今後もイーサリアムクラシック独自の開発や動きがあるので、イーサリアム(ETH)から独立して動く可能性は十分にありますね。
イーサリアムクラシック(ETC)が購入できる取引所
イーサリアムクラッシック(ETC)は人気のあるメジャーなアルトコインのため、多くの大手国内取引所で取り扱いがあります。
しかし国内取引所でイーサリアムクラッシック(ETC)を購入するには販売所を利用しなくてはいけません。
販売所では手数料が表向きは無料となっていますが、スプレッド(売買差額)が3%~8%以上と高くなる傾向にあることに注意しましょう。
足元価格は気にしないという方はまったく問題ありませんが、少しでも安くイーサリアムクラッシック(ETC)を購入するなら海外取引所にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。
取引所取引ならバイナンス
取引手数料を安くするのであれば販売所ではなく、取引所取引が可能な海外取引所を活用するのをおすすめします。
海外取引所では特に、取引手数料が安くて多くの日本人も利用しているバイナンスがおすすめです。もちろんバイナンスではイーサリアムクラッシック(ETC)の取引所取引(ユーザー同士の取引)が可能ですよ。
私もアルトコインを購入する際はほとんど、バイナンスを利用しています。
投資スタイルで使い分け
上記の取引所を踏まえたうえで、イーサリアムクラシックを購入できる取引所は国内外でいくつもありますが、投資スタイルによって取引所を選ぶことが重要ですよね。
取引所によって特徴やメリットデメリットが異なるので、上手に使い分けてみましょう。ETCの取引所選びのポイントは下記の記事で詳細を書いていますので参考にしてくださいね。
イーサリアムクラシックのまとめ
イーサリアムクラシックの今後はどうなる
イーサリアムクラシックはイーサリアムと、もとは同じ通貨ということもあり、価格帯もイーサリアムと相関関係にありました。
当初は開発者のほとんどがイーサリアムに移ってしまったため、イーサリアムクラシックはイーサリアムの下位互換の通貨として見られていました。
しかし、今では開発も順調に進んでいることから安全性やセキュリティを重視するイーサリアムクラシックを利用したプロジェクトやICOを計画している企業も存在します。
またEmeraldプロジェクトと呼ばれるイーサリアムクラシックの開発者によるプロジェクトも着実に進行し、今後のさらなる発展が期待されています。